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おせち

『おせち』は、正月の節句料理で正月にちなんだ祝儀肴やお雑煮など、身近な材料を利用した料理で祝うものでした。
さて、祝儀肴とは、海、山、野の幸を縁起にちなんで使うもので、海の幸としては、数の子(子孫繁栄)、昆布巻(よろこぶ)、田作り(豊作への願い)など、山の幸は、干し柿(嘉来<かき>としてやはり喜びに通じる)、かち栗(出陣の時縁起かつぎの三肴のひとつ他に熨斗、昆布)など、また、野の幸には、いわゆる野菜類で大根、ゴボウ、里芋、黒豆など秋の収穫物にそれぞれ意味を持たせて使われています。
『おせち』と共に『お重(重詰)』も正月料理の代表です。
ところで、重詰の重ね方と中身について 一の重(祝肴)、二の重(なます)、三の重(口取)、与の重(焼物)、五の重(煮染)となり、本格的な重詰の組重は、五段重ねか与の段と別に控重を用意するのが正しいようです。また、詰め方としては、ぎっしり詰めて盛る重詰形式と、二品か三品くらいを裏白、南天、ゆずり葉を敷いて余裕を持って盛る重盛形式の二つがあります。一般的には、味が重ならず補充も効き易いので重盛形式の方が実用的だと思われます。

最後に『お雑煮』ですが、
雑煮は、ご存知のように元旦の朝に作るものでなく、暮れの三十一日までに下準備をしておき正月に手間をかけずに仕上げられる料理です。この雑煮は、江戸時代中期ごろからなんでも雑多に煮るものとして広がっていきました。そのため地方ごとに特色のある独特の雑煮が出来上がったのです。一般的に清まし汁と味噌仕立てがあり、関東地方では清まし汁、関西地方では味噌仕立てとなっているようです。

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各地の代表的な例

北海道 清まし汁、切り餅、すじこ、ネギ、鮭の切り身など
宮城 清まし汁(ハゼで取った出し汁)、切り餅、おひきな(大根を凍らせたもの),蒲鉾、せり、大根、人参など
東京 清まし汁(昆布と鰹で取った出し汁または鶏のスープ)、切り餅、蒲鉾(またはちくわ)、みつば(または水菜)、鶏のささみなど
長野 清まし汁、のし餅、大根、里芋、人参、干瓢、凍り豆腐など
三重 味噌、焼いた鏡餅、大根、小芋など
京都 白味噌、丸餅、大根、里芋、焼豆腐(京都でも清まし汁のところもある)など
大阪 元旦3日/味噌、大根、小芋、人参、2日/清まし汁、焼いた丸餅、水菜など
岡山 清まし汁、丸餅、なま鮭(またはぶり)、蒲鉾、海苔、ほうれん草など
香川 白味噌、あん餅(塩味のつぶあん)、大根、小芋、人参など
鹿児島 白味噌、切り餅、大根、青ネギなど

お正月を祝うおせちやお雑煮は、古来からの知恵と共に収穫物への感謝の気持ちを込めた美しい伝統です。これからも伝統や風習を大事にして次の時代に語り伝え、より豊かな環境をはぐくみ育てていきたいものです。

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